覚えておきたい代表的な脂肪酸
飽和脂肪酸
パルミチン酸
動物性油脂ではラードやバターに含まれます
植物油では、カカオバターやパームオイルに多く含まれています
オレイン酸を生成させるステアリン酸に変換させる脂肪酸です
細胞のもつ本来の力を活性させ、ビタミン類を吸収しやすくする作用があります
摂りすぎると動脈硬化の原因になるので、注意が必要です
ミリスチン酸
ココナッツオイルやバームカーネルオイルなどに含まれます
動物性油脂では、ラードやバターに含まれています
タンパク質を刺激して、ホルモン分泌や細胞膜を保護する作用があります
酸化しにくく、洗浄効果が高いので、石けんやシャンプーなどに利用されています
ステアリン酸
動物・植物性脂質の中で、最も多く含有される飽和脂肪酸
ラードやバターなどの動物性油脂、カカオバターやシアバターなどの植物性油脂に豊富に含まれています
体内酵素によって、融点の低いオレイン酸へと変換されます
食用としては、血管病のリスクが高いので過剰摂取しないように気をつけましょう
ラウリン酸
母乳の主成分で、免疫力を高めてくれる脂肪酸
門脈を経て直接肝臓に運ばれるので、効率よく分解されて消費される中鎖脂肪酸です
代謝の過程でケトン体を生成し、アルツハイマー型認知症の予防効果があると期待されています
ココナッツオイルやパームオイルが常温で固体なのは、ラウリン酸が含まれているからです
カプリル酸/カプリン酸
抗菌作用に優れた中鎖脂肪酸
医薬品の原料としても使われています
門脈を通じて直接肝臓に運ばれるため、効率よく代謝され、脂肪に蓄積することがありません
近年では「MCTオイル」と呼ばれる、中鎖脂肪酸のみで人工的につくられたオイルにも豊富に含まれており、食事療法などで利用されています
一価不飽和脂肪酸
パルミトレイン酸 オメガ7
人間の皮脂に約10%含まれている脂肪酸
加齢とともに減少するため、摂取することで皮膚の再生を促進します
血管壁に浸透して血管を強化するため、脳卒中などの予防に作用します
また、インスリンの分泌を促進するので、糖尿病や高血糖の予防にも
マカデミアナッツなどナッツ系オイルに高含有されています
オレイン酸 オメガ9
不飽和脂肪酸のなかで、最も酸化しづらく、人間の体内で合成できる脂肪酸
血液中の悪玉コレステロールを抑制し、胃酸の分泌を最小限に抑えて胃もたれなどを予防
腸の蠕動運動を促進し、便秘解消の効果が期待できます
保湿力が高く、他の美容成分が肌に浸透するのをサポート
古くから美容オイルに利用されています
多価不飽和脂肪酸
αーリノレン酸 オメガ3
体内で生成できず、食品から摂らなくてはならない必須脂肪酸
体内酵素でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換され、血中の中性脂肪を抑制し、血栓を予防します
細胞膜を形成するリン脂質の成分
がんや高血圧、アレルギーを予防する効果もあり、現代人が積極的に摂るべき脂肪酸です
EPA(エイコサペンタエン酸) オメガ3
体内で生成することができず、食品からしか摂取できない必須脂肪酸のひとつ
主に、サバ、サンマ、マグロなどの青魚に豊富に含まれ、αーリノレン酸を摂取すると体内で産生されます
血液をサラサラにする効果があるので、血栓予防、抗炎症作用、免疫の調節、脂質代謝の改善、動脈硬化予防などの効果があります
DHA(ドコサヘキサエン酸) オメガ3
体内で作ることのできない必須脂肪酸
αーリノレン酸を摂ると体内で作られます
αーリノレン酸は植物プランクトンに多く含まれるので、それを餌とする魚介るにはDHAが豊富
EPAとの相乗効果で血液をサラサラにします
DHAは脳に直接吸収される栄養分
神経細胞を殉難に保ち、情報伝達をスムーズにします
リノール酸 オメガ6
体内生成できない必須脂肪酸ですが、現代の食生活では過剰摂取が問題になっています
血中コレステロール値や中性脂肪を一時的に低下させる一方で、摂りすぎるとアレルギー炎症を起こし、がんのリスクを高めるともいわれています
外食中心の食生活やスナック菓子の食べ過ぎはリノール酸の過剰摂取につながります
γーリノレン酸 オメガ6
体内酵素によって、リノール酸から変換された脂肪酸です
天然の食材にあまり含まれず、血圧や血糖値を下げ、血栓を防ぐ効果があります
抗根期の症状やPMS(月経前症候群)の緩和に効果があります
女性ホルモンが減退し、生活習慣病のリスクが高まる更年期の女性が摂りたい脂肪酸です
アラキドン酸 オメガ6
体内生成できない必須脂肪酸
前駆体であるジホモγーリノレン酸から変換されて生成します
乳児の脳や体の発育には必要不可欠で、免疫機能を調整する効果や、学習力や記憶力を向上させる効果があります
過剰摂取するとアレルギー炎症の原因となり、がんのリスクを高めるといわれています